三十代の若いご夫婦のすまいです。予算的な制約があり、コストを抑えたプランが求められました。第一印象で横長の土地を活かした東西に長いシンプルな平屋のプランにしました。住宅は平屋が使いやすいというのが私の持論です。家のカタチはシンプルな方形のが地震にも強く、また、屋根の形状も単純になり雨漏り等の心配もありません。実際、東日本大震災でもまったく被害はありませんでした。また、シンプルなカタチは壁の面積や基礎の部分でコストを下げることも出来ます。ローコストといっても「すまいの質」住み心地や、使用する建材の質を犠牲にすることはしません。また、建具にも既製品は使いません。「すまいの質」とは、例えば木の温もりでやすらぐ・落ち着くであったり、夏は涼しく冬は暖かい快適な環境、家事に使い勝手がよい動線、また、家族の関係を大切にできるプラン等の「住み心地」のことをいいます。
間取りは全ての部屋を南側に配置しました。外には杉板張りの長い濡れ縁があります。夏は深い軒で夏の日差しを遮り、目の前の竹林から涼しい風が通り抜け、冬は大開口からの日差しが部屋を暖めてくれます。床はすべて無節の杉の無垢材です。リビング・ダイニングはコストを下げる為、天井を張らないことで、ベイマツの太い梁の見える、広々としたナチュラルな空間になりました。間取りはキッチンを中心に回遊できる家事のしやすい動線です。子供部屋はひとつですが、家族が増えたら納戸を子供部屋として使うことも出来ます。ローコストとは思えない上質なすまいになりました。
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敷地面積 | 711.73㎡(215.3坪) |
建築面積 | 122.28㎡(36.9坪) |
延床面積 | 100.80㎡(30.5坪) |
構 造 | 木造軸組工法 平屋建 |
屋 根 | ガルバニュウム鋼板 瓦棒葺き |
外 壁 | 硬質木片セメント板 ポリウレタン樹脂塗装 一部 杉板張 |
床 材 | 杉縁甲板 |
壁 材 | ビニールクロス張 |
天 井 | 杉化粧野地あらわし 一部ビニールクロス張 |